私にみえている世界

こんにちは。

映画「インフェルノ」の結末が原作と大きく違った。

お疲れ様です。yasusususuです。

 

先日映画「インフェルノ」を観ました。

同作品は、同名小説(ダン・ブラウン著)を映画化したもので、ダヴィンチ・コード、天使と悪魔と同じ、ロバート・ラングドン教授のシリーズです。

 

私は、お気に入りの小説や漫画が映像化されることについては、肯定的に捉えているのですが、本作については、少しタイトルの件で少し驚いたので、記事にします。

 

 

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感想(1件)

 

以下、ネタバレを含みます。

小説における結末

あらすじ

舞台はイタリア。ロバート・ラングドン教授(以下、ラングドン教授と言います。)が、病院のベットで目覚めるシーンから物語は始まります。

ラングドン教授は、なぜ自分が病院にいるのか分からずにいたところ、彼の担当の医師であるシエナ・ブルックス(以下、シエナと言います。)は、ラングドン教授が銃で狙われ、弾丸が頭をかすめたショックで数日の記憶を失っていると説明します。

そのようなやり取りをしているうちに、病室が殺し屋の女に襲撃されます。

なんとか殺し屋から逃れ、シエナの部屋に逃げ込んだところ、ラングドン教授の持ち物から小型のプロジェクターが見つかります。小型のプロジェクターを投影するとボティチェリの地獄図*1が。

歴史学者であるラングドン教授は、映像を見て、この地獄図が改変されたものであることに気づき、その中にメッセージを見つけます。

ラングドン教授は、先ほどの殺し屋を擁する裏組織とWHOに追われながらも、シエナとともに、このメッセージを手掛かりに、フィレンツェやベネツィア、イスタンブールを巡ります。

その中で、このメッセージは、シエナの元恋人で、死亡した遺伝学者のゾブリストが開発した世界の人口を大きく減らすためのウィルスへの手がかりを示すものだったことがわかります。

 

結末

メッセージをめぐる旅の終着点がイスタンブールであるとわかった時、シエナはラングドン教授のもとから姿を消します。その後、ラングドン教授は、シエナがゾブリストの元恋人であり、生前ゾブリストがウィルスを開発していたこと、それをどこかに隠し、時限装置により世界に拡散する準備をしていたこと、その隠し場所がイスタンブールであることを知ります。

ラングドン教授は、イスタンブールでシエナと再会します。そして、二人は、ウィルスの隠し場所に辿り着くのですが、ウィルスは、1週間も前に世界中に広がっていたことを知ります。

シエナは、ラングドン教授に、ウィルスが人類の3分の1の者のDNAに働きかけ、生殖機能を失わせるもので、また、生殖機能が失われなかった者についても、改変されたDNAが遺伝により受け継がれ、次の世代の3分の1を生殖不能ものであるということを告げるのです。

 

小説は、ここでおしまいです。ウィルスはすでにばらまかれてしまっていて、現状取り返しがつかない。すぐにどうにかなるものでもないからとりあえず落ち着こうと。

 

映画における結末

映画では、ウィルスは、殺人ウィルスとされています。そして、シエナは、他のゾブリストの信奉者とともに、まだばらまかれていないウィルスをばら撒こうとします。ラングドン教授とWHO、そして、WHOと共闘することとした裏組織は、シエナたちと交戦し、結果、ウィルスがばらまかれるのを阻止します。

 

映画ではウィルスはばらまかれず、ハッピーエンドとなるのです。

 

なぜこうなってしまったのか

シエナは、ゾブリストの思想に共感し、ゾブリストの思想*2を実現しようとした者であることは、小説と映画とで異なりません。

 

映画では、この「間引き」をする殺人ウィルスをばら撒こうとするシエナらの勢力と、それを阻止しようとするWHO側の勢力の争いに WHO側が勝利するという結末になっています。

 

他方、小説では、シエナは、ゾブリストの思想を実現しようとしながらも、ゾブリストの作製したウィルスが、WHOの手に落ちることを良しとしておらず、これを回収しようとしてました。ウィルスが解析され細菌兵器に利用されることを懸念したのです。

 

なぜこのような違いを作ったのかについて考えるに、映画には分かりやすさが必要だからではないでしょうか。

本作には、無所属のラングドン教授、WHO、ゾブリストに雇われた裏組織、ゾブリストの信奉者であるシエナらという様々な勢力が登場します。少し分かりにくいので、これらをシエナらを悪、ラングドン教授らを善とする二項対立構造に収斂させて分かりやすくしようとしたのではないかと。

なお、映画では、あっけなくシエナは戦いの中で死んでしまいます。

 

映画に詳しくないのですが、物語のクライマックスを原作から大きく改変してしまうことがあるという事実に驚きました。

 

 

なお、インフェルノは、後味の悪い話まとめサイト*3に後味が悪い話として紹介されています。

後味が悪いから結末をスッキリさせたのかもしれませんね。

 

インフェルノ(角川文庫 上中下合本版)

*1:ボッティチェリ 地獄図

*2:ゾブリストの思想とは、「人口爆発による滅亡の方程式」というものです。

要するに、人々の寿命が伸びつづけて、地球の人口が増加の一途をたどり、天然資源が枯渇に向かっている事実を数字によって示すものよ。その方程式が予言しているのは、今のような趨勢が続けば、世界の崩壊と滅亡は避けられないということ。ゾブリストは公にこう予言したのよ。人類は次の世紀を生き延びられない…なんらかの大量絶滅が起こらない限りは、と 

ゾブリストは、ヨーロッパでこれまでに起こった最良の出来事は黒死病の流行であるとしており、人口の「間引き」をしなければ、ひいては人類が滅亡するという思想を抱いている 人物として描かれています。

*3:インフェルノ(ダン・ブラウン) | 後味の悪い話まとめサイト@2chオカルト板